ケープワイン(Cape Wine)とは、欧米で日常に使われる、南アフリカワインのことです。日本では、「南アワイン」として定着した言葉ですが、当社では、ケープワインというキーワードを日本で定着させたく、この言葉を用いています。
強烈に印象に残る台地。今までに見たこともない不思議な気分にさせるワインランド。ブドウ畑を取り囲む原風景は、本当に吸い込まれるほど美しい。そんな南アフリカのワイン産地を、一度は訪れてみたいものです。
アパルトヘイト撤廃後の1992年以降、本格的に世界進出を始めたばかりのワイン産地なので、「アフリカでワインが造られているの?」と疑問を抱かれることがあっても、それは仕方ないことかもしれません。しかしながら、ワイン鑑定家王国、イギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国、特に、イギリス、ノルウェー、スウェーデンでは、他国産の輸入ワインをふくめ上位に占める割合の多い国でもあります。
なぜ、ケープワインがイギリスで受けているかと考えると、ブランド力の根底にあるワインのテクスチュアが受け入れられたことを意味するのではないかと思います。こうした動きは、前述のベルギー、オランダ、デンマーク、スウェーデンと広がっており、ロンドン市内、近郊のデパート、スーパーマーケットには、ケープワインが非常に目立つほど陳列されており、驚いたのは、オックスフォードという保守的な町にさえ、同じように、目立つようにケープワインが置かれています。
その理由のひとつに、当社の輸入するワインのスタイルにあらわれるように、ケープワインには、比較的、欧州的テクスチュアのワインが多く見られると思います。今まで、ケープワインに触れる機会の少なかった我々としては、旧大陸と新大陸のワインのテクスチュアを基準に語らざるを得ませんが、当社では、「CAPE EUROスタイルとCAPE US/AUZ スタイル」という定義を独自につくり、ワインファンの判断材料のひとつとして、スタイル提案を行っております。
フランス、ドイツ、イタリア、チリ、カリフォルニア、オーストラリア、ニュージーランドは、ワイン産地としてあまりにも有名で、酒販店の多くの取扱い量をみても、また、国内のワインスクールでの使用にいたっては、多くがこれらの産地を占めるのが現状です。また、ソムリエ認定者の多くも、欧州ワインの品種やテクスチュアを基本形にしているのではと考えると、日本人のワインに対する味わいの基本形は、ヨーロッパにあるといっても過言ではないと思います。
ケープワインをブラインドテイスティングしてみると、「ヨーロッパ的ニュアンスのスタイル」と「カリフォルニアやオーストラリア的ニュアンスのスタイル」があるように思います。今後、もっと数多くのケープワインが輸入されることにより、ケープワイン(南アフリカワイン)スタイルが語られる日が来ることでしょう。